2011年8月15日月曜日

「聖書」フランシスコ会聖書研究所

OFM-Bible01フランシスコ会聖書研究所の成果がこの一冊に凝縮

旧約・新約の全編を網羅。
独自の原典批判(テキスト・クリティック)。
合本のための表記統一。
小見出し目次。
聖書の理解を助ける注釈(注の見直し・簡略化)。
地図とイラストを適宜収録。

 

A5判
ISBN: 9784805648292
訳注:フランシスコ会聖書研究所訳
定価:8,400円(税込み)
発売記念特価:7,000円(税込み)※2011年8月15日~12月31日まで
サンパウロ (2011/08/15 出版)

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「緒言」からの抜粋

ここに刊行する運びとなりました旧約・新約聖書は、日本において聖書の原文校訂による口語訳の刊行を目指して一九五六年に設立されたフランシスコ会聖書研究所がこれまで分冊の形で刊行してきた聖書の全巻を一冊にまとめたものです。
・・・
第一巻『創世記』の刊行から、実に四十六年の歳月が経過したことになります。それはまた、さまざまな聖書研究者、日本語表現の協力者たちの辛苦の成果であったともいえます。『エレミヤ書』の出版の後、合本化への本格的な作業に取り組むことになりました。 なにしろ四十数年の歳月が経っておりますし、それぞれの三十七の分冊の翻訳はさまざまな別々の研究者によってなされておりますので、文体はもちろん、年代によって用語の使用もまちまちとなっています。

分冊で出版した段階では問題ではなかったのですが、一冊に合本ということになりますと、訳語、文体、表記を統一しなければなりません。誤訳の可能性も念頭において全文を見直さなければなりません。

五年後の合本刊行という目標のもとに、いく人もの研究者のご協力のもとに合本化の作業が開始されましたが、数年後に計画は頓挫することになりました。そもそも改訂版を出すのか合本を出すのかという板木的な問題に突き当たりました。それぞれの巻の改訂に力を注げば注ぐほど、訳語、文体、表記の統一を図る合本化から遠ざかることも分かってきました。また、すべての巻の改訂版を短期間に準備するのが不可能であることも明らかでした。

ここに至って、当初の合本化に徹せざるを得なくなりました。そのため、改訂の作業にあたっていただいた聖書研究者の方々の辛苦の賜物を十分に生かすことができなくなってしまったこと、その結果、現代の研究成果を踏まえた訳文並びに注の見直しという点で、読者諸兄姉の期待に添えないことになったのは遺憾の極みであります。
また、フランシスコ会聖書研究所訳の一つの特長は注がついていることにありましたが、合本化にあたって分冊の注をそのまま使いますと、膨大なページ数になり、一冊での合本化は不可能になります。そのため数を減らし、簡略化せざるを得ませんでした。
カトリック教会において聖書研究の保護聖人であり、旧約聖書をヘブライ語からラテン語に翻訳した先達でもある聖ヒエロニムス(四二〇年没)は、「聖書を知らないことは、キリストを知らないことである」と言いました。これに応えて、「聖者を知ることは、キリストを知ること」をモットーに、当聖書研究所一同励んでまいりました。この聖書が、生活の歩みの中で、日々の祈りの中で、またキリスト老並びにキリストに惹かれる方々の家庭の中で座右の書となり、人々に感銘を与え、その心を動かすことができますよう、研究所一同心から祈るものであります。どうか 「あなた方のところでも、同じように、主の言葉が速やかに駆け巡り、たたえられますように」(二テサ31)。

二〇一一年四月二十四日 主の復活の主目に

フランシスコ会聖書研究所